【事例付き】高級寿司屋オープンに向けて内装デザインにおける大事な7つのポイントや費用相場を解説!
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【事例付き】高級寿司屋オープンに向けて内装デザインにおける大事な7つのポイントや費用相場を解説!

【事例付き】高級寿司屋オープンに向けて内装デザインにおける大事な7つのポイントや費用相場を解説!
admin

高級寿司屋の開業を成功させるには、料理の質だけでなく内装デザインが大きな鍵を握ります。全国に約2万2千件もの寿司店が存在する今、他店との差別化は必須です。特に高級寿司屋では、洗練された空間デザインこそが「特別感」を演出し、顧客の満足度とリピート率を左右します。

本記事では、多数の飲食店デザインを手がけてきた株式会社RAWMANが、高級寿司屋の内装デザインで押さえるべき7つのポイントを実例とともに解説します。開業に必要な坪数や、スケルトン・居抜き物件それぞれの費用相場まで、具体的な数字を交えてご紹介しますので、これから開業を検討されている方はぜひ参考にしてください。

本厚木9F

RESTAURANT
KANAGAWA
143.1㎡
43.4 t

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天日

RESTAURANT
KANAGAWA
154.74㎡
46.81t

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二ノ宮

RESTAURANT
KANAGAWA
145.2㎡
44t

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NORURADA

RESTAURANT
TOKYO
30 ㎡
9.09 t

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浩也 東京前

RESTAURANT
TOKYO
46.48 ㎡
14.08 t

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高級寿司屋の内装デザインが重要な3つの理由

競合約2万2千店から差別化するブランディングの要

総務省の経済センサスによると、全国の寿司店数は約2万2千軒に上ります(※1)。これほど多くの競合店がひしめく中で生き残るには、料理の質だけでは不十分です。特に高級寿司屋では、店舗そのものがブランドメッセージを伝える重要な役割を担います。

洗練された内装デザインは「この店は特別だ」という印象を顧客に与え、競合との明確な差別化に繋がります。カウンターの木材選定から照明の工夫まで、一つひとつのディテールがお店の格を決定づけます。

※1 総務省「経済センサス-基礎調査」(2016年)
https://www.e-stat.go.jp/

高級感と特別感は空間デザインから伝わる

高級寿司屋に求められるのは「非日常の体験」です。顧客は料理だけでなく、その場の雰囲気や空気感にお金を払っています。どれだけ質の高いネタを仕入れても、内装が安っぽければ高単価は正当化できません。

素材の質感、空間の余白、照明の明暗。これらが総合的に作り出す空間デザインこそが、高級感を演出する最大の要素です。内装に適切な投資を行うことで、顧客単価の向上にもつながるでしょう。

リピート率を左右する顧客体験の質

一度の来店で終わらせないためには、料理の満足度に加えて「また来たい」と思わせる空間体験が必要です。カウンター越しに職人の所作を眺める心地よさ、落ち着いた照明の中で過ごす時間、細部まで行き届いた空間設計。これらが知らず知らずのうちに顧客の記憶に残り、再来店に繋がるとも言えます。

特に個室を併設する場合は、接待や記念日利用など高単価な顧客層の獲得にもつながります。内装デザインへの投資は、長期的な顧客との関係構築を支える基盤となるのです。

高級寿司屋に必要な坪数と空間設計の基本

浩也 東京前
浩也 東京前

業態別の適正坪数(カウンター主体型・個室併設型・立ち食い型)

業態によって必要な坪数は大きく異なります。

カウンター主体型(8〜15席程度)
最も一般的な高級寿司屋のスタイルです。必要坪数は15〜25坪程度。カウンターのみに集中することで、職人との距離感を保ちながら効率的な接客が可能です。

個室併設型
カウンターに加えて個室を設ける場合、25〜40坪以上が目安となります。接待需要や家族利用など、顧客層の幅を広げられるメリットがあります。

立ち食い型
近年増加している立ち食いスタイルは、10坪未満の小規模でも開業可能です。回転率を高めることで、限られた面積でも収益を上げられます。

客席と厨房のバランス配分

高級寿司屋の場合、厨房とカウンターが一体化した「つけ場」が中心となります。一般的な配分比率は、客席エリア:厨房・つけ場エリア=6:4〜5:5程度です。

カウンター型の場合、つけ場の作業スペースは最低でも1.2m以上の奥行きを確保する必要があります。ネタケースや炊飯器、シンクなどを配置しながら、職人が快適に動けるスペース設計が求められます。

必要なバックヤード・トイレの面積

見落とされがちですが、バックヤードの確保も重要です。冷蔵・冷凍設備、食材の仕込みスペース、従業員用の更衣室など、最低でも3〜5坪程度は見込んでおきましょう。

トイレは法律で設置が義務付けられています。高級店では、トイレも店の格を表す空間として丁寧にデザインすることが大切です。1〜2坪程度を確保し、和のテイストを取り入れた落ち着いた仕上げが理想的です。

高級寿司屋の内装デザインで押さえたい7つのポイント

高級寿司屋の内装デザインで押さえるべき7つのポイント

【ポイント1】カウンターデザイン:職人の舞台となる最も重要な場所

カウンターは寿司屋の顔であり、最も投資すべき場所です。木材の選定が店の格を大きく左右します。

高級店で好まれるのは、ヒノキやケヤキなどの銘木です。特に樹齢の長い木材は木目が美しく、使い込むほどに深みが増します。一枚板のカウンターは高額ですが、それ自体がブランディングになります。

カウンターの高さは85〜90cm程度が一般的ですが、職人の身長や作業スタイルに合わせた調整が必要です。客席側の立ち上がりは、職人の手元が見えすぎず、かつ適度な距離感を保つ絶妙なバランスが求められます。

【ポイント2】木材選定:樹種と質感が醸し出す高級感

カウンターだけでなく、壁面や天井にも木材を効果的に使用することで、和の空間を演出できます。

・ヒノキ:清潔感のある白木で、香りも良い。カウンターや壁材として人気。
・ケヤキ:力強い木目が特徴。重厚感を出したい場合に最適。
スギ:柔らかな質感と温もり。和の雰囲気を強調できる。

木材はグレードによって価格が大きく変わります。予算に応じて、見える部分に銘木を使い、見えない部分はコストを抑えるなど、メリハリをつけた選定が賢いでしょう。

【ポイント3】配色:料理を引き立てるシンプルな色使い

寿司屋の内装で最も大切なのは「料理を邪魔しないこと」です。派手な色彩は料理から目を逸らしてしまいます。

基調色は白、ベージュ、グレーなどの落ち着いたトーンにまとめます。アクセントカラーを使う場合も、全体の5%程度に抑えることで、視線が散らず料理に集中できる空間が完成します。

黒や濃茶をアクセントに使うと、空間が引き締まり高級感が増します。ただし使いすぎると圧迫感が出るため、バランスが重要です。

【ポイント4】照明の工夫:寿司を美しく見せる光の演出

照明は寿司の色味を左右する重要な要素です。色温度は2700K〜3000K程度の温かみのある光が、ネタの色を美しく見せます。

カウンターの手元だけを明るく照らし、周囲は暗めに設定することで、自然と視線が料理に集まります。間接照明を効果的に使い、天井や壁面にほのかな明かりを当てることで、落ち着いた雰囲気を演出できます。

ダウンライトやスポットライトを使う場合は、眩しさを感じさせない配置が大切です。職人の手元作業を邪魔しないよう、配光角度にも配慮しましょう。

【ポイント5】動線の工夫:職人とお客様の快適な空間づくり

カウンター内の職人の動線は、効率的な作業に直結します。冷蔵設備、シンク、調理スペースの配置を綿密に計画し、無駄な動きを減らすことが大切です。

客席側も、入口からカウンターまでスムーズに誘導できる動線の工夫が必要です。狭すぎる通路は圧迫感を与え、広すぎると間延びした印象になります。通路幅は最低90cm、余裕を持たせるなら120cm程度が理想的です。

【ポイント6】エントランス:非日常への期待を高める入口

エントランスは「これから特別な時間が始まる」と顧客に予感させる重要な空間です。

暖簾や格子戸で和の雰囲気を演出しつつ、照明を落とし目にすることで、店内への期待感を高めます。玄関から店内が丸見えにならないよう、適度な目隠しを設けることもポイントです。

靴を脱ぐタイプの飲食店では、下足入れのデザインにも気を配りましょう。乱雑な印象を避けるため、扉付きの収納がおすすめです。

【ポイント7】和のディテール:格子や左官仕上げで個性を演出

シンプルな配色の中に、和の伝統的なディテールを取り入れることで、個性的で記憶に残る空間が完成します。

木格子:壁面や間仕切りに使用することで、視線を適度に遮りながら和の風情を演出できます。
左官仕上げ:珪藻土や漆喰などの自然素材を使った壁は、質感が豊かで落ち着いた雰囲気を醸します。
和紙:照明のシェードや壁面に和紙を取り入れることで、柔らかな光と質感が生まれます。

ただし、あれこれ詰め込むと煩雑になります。1〜2箇所に絞って効果的に使うことで、洗練された印象を保てます。

【スケルトン・居抜き別】高級寿司屋の内装工事費用相場

【スケルトン・居抜き別】高級寿司屋の内装工事費用相場

スケルトン物件の費用相場と工事内訳

スケルトン物件から高級寿司屋を開業する場合、坪単価は50〜80万円程度が相場です。高級店の場合、素材にこだわるため上限に近い金額になることが多いでしょう。

主な工事内訳

・軽鉄・ボード工事:天井や壁の骨組み、下地作成
・電気設備工事:照明、コンセント、分電盤の設置
・給排水・ガス工事:厨房設備に必要な配管工事
・内装仕上げ工事:床材、壁材、天井の仕上げ
・厨房工事:つけ場の防水処理、カウンター製作
・空調・換気工事:エアコン、換気扇の設置

スケルトンの場合、すべてを一から作る必要があるため工期も1.5〜2ヶ月程度かかります。

居抜き物件の費用相場と注意点

居抜き物件の場合、坪単価は15〜50万円程度まで抑えられます。ただし、これは既存設備をそのまま活用できる場合の話です。

前のテナントが寿司屋だった場合、厨房設備やカウンターがそのまま使えるため大幅にコスト削減できます。一方で、異業種からの転用や大幅な改装が必要な場合は、スケルトンと変わらない費用がかかることもあります。

居抜き物件の注意点

・設備の劣化状況を必ず確認する
・造作譲渡料が別途発生する場合がある
・前店舗のイメージが残りやすい
・給排水・ガス容量が足りない場合がある

コンセプトを明確に表現したい場合は、多少高くてもスケルトンから作る方が満足度の高い店舗になります。

坪数別の具体的な費用シミュレーション

具体的な費用例をシミュレーションしてみましょう。坪単価を60万円(高級寿司屋の平均)として計算します。

10坪(約33㎡)の小規模店

・スケルトン:600万円〜800万円
・居抜き:150万円〜500万円

20坪(約66㎡)の標準的な店舗

・スケルトン:1,200万円〜1,600万円
・居抜き:300万円〜1,000万円

30坪(約100㎡)の個室併設型

・スケルトン:1,800万円〜2,400万円
・居抜き:450万円〜1,500万円

これらに加えて、厨房機器(冷蔵庫、ネタケース、炊飯器など)が別途100〜300万円程度必要です。

コストを抑えながら高級感を出す工夫

予算が限られていても、工夫次第で高級感は演出できます。

メリハリをつけた投資
カウンターや見える部分には予算を集中投下し、バックヤードや見えない部分はコストを抑えます。顧客の目に触れる箇所だけ上質な素材を使うことで、限られた予算で理想の空間を作りだすことも可能です。

中古設備の活用
厨房機器は中古品でも十分に使えます。新品にこだわらず、状態の良い中古品を選ぶことで、内装デザインに予算を回せます。

シンプルなデザイン
装飾過多な内装は、かえって安っぽく見えることがあります。シンプルで洗練されたデザインは、コストを抑えながらも高級感を演出できる最良の方法です。

RAWMANが手がけた高級寿司屋の内装事例

【事例1】鮨 四心(東京・56㎡):洗練されたカウンター空間

【事例1】鮨 四心(東京・56㎡):洗練されたカウンター空間
鮨 四心

鮨 四心は東京都港区六本木一丁目に位置する約56㎡(約17坪)の寿司店です。「今までにないモダンな鮨店」をテーマにデザインしました。

壁面には白を基調としたタイルを使用し、真鍮色をアクセントとして配することで、和のnewスタイルを創造。華やかな和食を提供する店舗イメージを演出しています。

伝統的な寿司店の枠を超えた現代的な空間デザインは、新しい寿司体験を求める顧客層に支持されています。

【事例2】鮨 みつよし(東京・66.4㎡):素材感を活かした和モダンデザイン

【事例2】鮨 みつよし(東京・66.4㎡):素材感を活かした和モダンデザイン
鮨 みつよし

鮨 みつよしは東京都港区新宿御苑前に位置する約66.4㎡(約20坪)の寿司店です。2つの異なる空間を持つ構成が特徴です。

メイン客席はけやきの一枚カウンターを主役に、ベージュを基調とした左官とタイルで構成。網代天井と木格子障子で、落ち着きのある空間を演出しています。

VIP客席はメイン客席とは別の入口を設け、プライベートを確保。いちょうのL型カウンターで座席の間隔を広めにとり、ゆったりとした時間を過ごせます。黒を基調とした墨モルタル左官と、間接照明で演出した木格子が品のある空間を作り上げています。

【事例3】鮨 漆黒(東京・14.9㎡):小規模でも高級感を実現した設計

【事例3】鮨 漆黒(東京・14.9㎡):小規模でも高級感を実現した設計
鮨 漆黒

鮨 漆黒は東京都港区六本木に位置するわずか14.9㎡(約4.5坪)という小規模店舗です。「静寂の空間」をテーマに、壁面と天井、カウンター天板など、カラースキームをほぼ黒で統一しました。

辺りが暗がりのため、自然と視線が向かうのはカウンターにぼんやりと照らされた鮨。心地よい静寂に包まれ、鮨と向き合うための贅沢な没入空間をイメージしてデザインしています。

小さな空間だからこそ実現できる、研ぎ澄まされた集中力を促す空間設計は、限られた面積でも高級寿司屋としての価値を十分に表現できることを示しています。

内装デザイン会社を選ぶ際の5つのチェックポイント

内装デザイン会社を選ぶ際の5つのチェックポイント

飲食店、特に寿司店の実績が豊富か

寿司店は一般的な飲食店とは異なる特殊な設備や空間設計が求められます。つけ場の構造、ネタケースの配置、職人の動線など、専門的な知識が必要です。

必ず過去の施工事例を確認し、寿司店の実績があるかをチェックしましょう。可能であれば、実際に施工した店舗を見学させてもらうのが理想的です。

設計から施工までワンストップで対応できるか

設計会社と施工会社が別々だと、意図が伝わらず理想の仕上がりにならないリスクがあります。また、責任の所在が曖昧になりトラブル時の対応が遅れることも。

設計から施工まで一貫して対応できる会社であれば、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。コストも中間マージンが発生しないため、抑えられる傾向にあります。

コンセプトヒアリングとデザイン提案力

単に希望を形にするだけでなく、曖昧なイメージを具体的なデザインに昇華させる提案力が重要です。

初回打ち合わせで、どれだけ深くコンセプトをヒアリングしてくれるか、そしてそれに基づいた独自の提案があるかを見極めましょう。過去事例の焼き直しではなく、その店舗だけのオリジナルデザインを提案してくれる会社を選ぶべきです。

見積もりの明確性と透明性

「坪単価◯◯万円」という大雑把な見積もりだけでは、後から追加費用が発生するリスクがあります。

工事項目ごとに明細が記載された詳細見積もりを提出してくれる会社を選びましょう。不明点を質問した際に、丁寧に説明してくれるかも重要なポイントです。

アフターフォローと保証体制

開業後に不具合が見つかった場合の対応体制も確認しておきましょう。

保証期間はどれくらいか、どこまで保証範囲なのか、不具合発生時の連絡先はどこかなど、事前に明確にしておくことでトラブルを避けられます。開業後も相談できる関係性を築ける会社が理想的です。

高級寿司屋の内装デザインを成功させるために

立喰い鮨 浩也
立喰い鮨 浩也

明確なコンセプト作りから始める

内装デザインを始める前に、必ずコンセプトを明確にしましょう。

「伝統的な江戸前寿司」なのか「創作寿司」なのか、「カジュアルな雰囲気」なのか「格式高い空間」なのか――コンセプトが定まらないまま進めると、統一感のない内装になってしまいます。

提供する料理のスタイル、価格帯、接客方法などすべてを総合的に考え、それに合った内装デザインを選択することが成功への第一歩です。

ターゲット顧客を明確にする

誰に来てほしいのかを明確にすることで、内装デザインの方向性が定まります。

接待需要を狙うなら個室が必要ですし、カップル層をターゲットにするなら落ち着いた照明とプライベート感のある席配置が求められます。ファミリー層も取り込みたいなら、テーブル席の設置も検討すべきでしょう。

ターゲットによって必要な坪数や設備も変わってくるため、物件選びの段階から意識することが大切です。

余裕を持った工事スケジュールの確保

内装工事は予想外のトラブルが起こりがちです。構造上の問題が発覚したり、資材の納品が遅れたりすることも珍しくありません。

オープン日から逆算し、少なくとも2週間程度の余裕を持ったスケジュールを組みましょう。特にスケルトンから作る場合は、2ヶ月以上の工期を見込んでおくと安心です。

焦って妥協した内装では、開業後に後悔することになります。時間をかけて丁寧に作り上げることが、長く愛される店舗づくりにつながります。

まとめ

高級寿司屋の内装デザインは、料理の質と並んで店舗の成否を左右する重要な要素です。限られた予算の中でも、重要な箇所に投資を集中させることで、顧客に「特別な体験」を提供できる空間を実現できます。

株式会社RAWMANでは、多数の寿司店を含む飲食店の内装デザイン実績があります。コンセプト作りから設計・施工まで一貫してサポートいたしますので、高級寿司屋の開業をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ
株式会社RAWMAN
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