【事例別にみる】おしゃれな美容室の内装デザインを作るポイント5選と費用相場を解説! 【事例別にみる】おしゃれな美容室の内装デザインを作るポイント5選と費用相場を解説!
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【事例別にみる】おしゃれな美容室の内装デザインを作るポイント5選と費用相場を解説!

【事例別にみる】おしゃれな美容室の内装デザインを作るポイント5選と費用相場を解説!
admin

美容室の集客において、技術力と同じくらい重要なのが「おしゃれな内装デザイン」です。全国に約25万店舗もの美容室が存在する今、顧客に選ばれるには内装での差別化が欠かせません。おしゃれな空間は、お客様に「ここなら自分を任せられる」「また来たい」という安心感と期待感を与え、リピート率の向上に直結します。

本記事では、多数の美容室デザインを手がけてきた株式会社RAWMANが、おしゃれな美容室の内装デザインを作る5つのポイントを実例とともに解説します。美容室における「おしゃれ」の定義から、色彩・素材・照明の使い方、費用相場まで、これから美容室の開業やリニューアルを検討されている方に役立つ情報をお届けします。

cuento

BEAUTY
SAITAMA OMIYA
64.4 ㎡
19.5 t

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OPUS_池袋

BEAUTY
TOKYO TOSHIMA
66.25m²
20.2t

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Salon de Milk

BEAUTY
TOKYO SHIBUYA
76.31 ㎡
22.16 t

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nolun

BEAUTY
TOKYO MUSASHINO
41.8 ㎡
12.6 t

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Rowan

BEAUTY
KANAGAWA YOKOSUKA
50.73 ㎡
15.37 t

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美容室における「おしゃれな内装」とは何か

美容室における「おしゃれな内装」とは何か

おしゃれの定義を言語化する

美容室における「おしゃれな内装」とは、単に見た目が美しいだけではありません。本質的には以下の4つの要素が揃った空間を指します。

1. 一貫したストーリー性
空間全体に明確なコンセプトがあり、それを表現するためにすべての要素が計算されて配置されている状態です。例えば「都会の隠れ家」というコンセプトなら、入口の佇まい、素材の質感、照明の明るさ、家具の選定まで、すべてがそのストーリーを語っています。

2. 絶妙なバランス感覚
色・素材・形状・サイズの組み合わせに、計算された調和があることです。おしゃれな空間は「なんとなく良い」のではなく、配色の比率、異素材の組み合わせ方、余白の取り方など、細部に美的センスが宿っています。

3. 機能美の追求
美しさと使いやすさが両立している状態です。デザイン性だけを追求して動線が悪い空間は、本当の意味でおしゃれとは言えません。お客様が快適に過ごせ、スタッフが効率よく働ける機能性があってこそ、空間の美しさが活きてきます。

4. 時代性と普遍性の共存
流行を取り入れながらも、数年で古臭くならない普遍的な美しさを持っていることです。トレンドを適度に取り入れつつ、ベースとなるデザインには時代を超えた魅力があります。

ただし、注意したいのは「おしゃれさの追求」と「居心地の良さ」のバランスです。デザイン性を重視しすぎて、奇抜な色使いや個性的すぎる家具を多用すると、視覚的に疲れる空間になってしまいます。また、装飾が過剰だとリラックスできず、落ち着かない雰囲気になることも。おしゃれな空間とは、美しさの中に心地よさがある空間のことを指します。

厚生労働省の衛生行政報告例によると、令和4年度の美容所数は26万9,889店(※1)も存在する中で、お客様に「この店は特別」と感じてもらえる独自性が不可欠です。

※1 厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/index.html

お客様がおしゃれな美容室で感じる3つのこと

【事例3】nolun(東京・41.8㎡):小規模でも個性が光る内装
nolunの事例

おしゃれな内装は、お客様の心理に大きな影響を与えます。

1. 安心感と信頼感
洗練された空間デザインは「ここなら自分を任せられる」という安心感を生みます。細部まで行き届いた空間づくりは、技術力への信頼にもつながります。施術前の緊張や不安を和らげ、リラックスした状態で過ごせる環境を提供します。

2. 期待感とワクワク
非日常的でおしゃれな空間は「ここで変身できる」という期待感を高めます。日常から離れた特別な時間を過ごせることで、美容室へ行くこと自体が楽しみになります。写真を撮りたくなる空間は、自然とSNSでの拡散も生まれます。

3. 共感と愛着
自分の好みや価値観と合う内装デザインは、そのサロンへの共感を生み、リピートにつながります。「この雰囲気が好き」「ここに来ると気分が上がる」という感情的なつながりが、長期的な顧客関係を築きます。

全国約27万店・東京だけで2.7万店からの差別化に内装デザインが必要な理由

【事例1】BLONDE(東京・60.02㎡):モダンで洗練された空間デザイン
BLONDEの事例

厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」によると、全国の美容所数は26万9,889店、東京都では2万6,734店(※1)にものぼります。コンビニエンスストアの全国店舗数が約5.5万店であることと比較すると、美容室の競争環境がいかに厳しいかが分かります。

この激しい競争の中で、お客様はどのように美容室を選ぶのでしょうか。多くの方が利用するホットペッパービューティーの店舗一覧画面を見ると、その答えが見えてきます。

検索結果には多数のサロンが並びますが、思わずクリックしたくなるのは「おしゃれな内装写真」を前面に出している店舗です。サムネイル画像で内装のビジュアルが魅力的だと、詳しく見たいという気持ちになります。逆に、内装写真が地味だったり古臭く見えたりすると、技術力が高くても素通りされてしまう可能性があります。

つまり、ホットペッパービューティーやSNSで「選ばれる美容室」になるには、写真映えする内装デザインが重要です。おしゃれな空間は、新規顧客の獲得だけでなく、SNSでの自発的な拡散、リピート率の向上、客単価アップ、さらにはスタッフの採用力向上にもつながります。内装デザインへの投資は、長期的に見れば集客コストを抑える効果的な手段なのです。

※1 厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/index.html

おしゃれな美容室の内装デザインを作る5つのポイント

おしゃれな美容室の内装デザインを作る5つのポイント

【ポイント1】色彩計画:空間の印象を決める配色の法則

色彩は空間の雰囲気を決定づける最も重要な要素です。美容室の配色は、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3層構造で考えるとバランスが取りやすくなります。

ベースカラー(70%)
壁や床など、空間の大部分を占める色。白やベージュ、グレーなど中立的な色を選ぶと、どんなテイストにも対応しやすい。

メインカラー(25%)
家具や什器に使う色。サロンのコンセプトを表現する重要な色

アクセントカラー(5%)
小物やアート、植物などで取り入れる挿し色。空間に変化とメリハリを与える

配色で失敗しないコツは、色のトーンを揃えることです。明るいトーンで統一すれば開放的な印象に、暗いトーンなら落ち着いた雰囲気になります。異なる色を使う場合でも、トーンを合わせるだけで統一感が生まれます。

【ポイント2】素材選び:木材・金属・石が生み出す質感

cuentoの事例

素材選びは、視覚だけでなく触覚にも訴えかける重要な要素です。同じ色でも、素材によって印象は大きく変わります。

木材
温もりと自然を感じさせる素材。ナチュラルテイストやヴィンテージテイストに最適。木材の種類や仕上げ方によって、カジュアルから高級まで幅広い表現が可能。

金属(アイアン・真鍮・ステンレス)
モダンやインダストリアルな雰囲気を演出。真鍮は経年変化を楽しめ、ステンレスは清潔感を強調。

石材(大理石・テラゾー)
高級感と重厚感を表現。天然石の一点もの感が空間に特別感を与える。

異素材を組み合わせる際は、2〜3種類に絞り、質感のコントラストを楽しむことがポイントです。例えば、木材の温もりとコンクリートの無機質さを組み合わせることで、洗練された空間が生まれます。

【ポイント3】照明デザイン:お客様を美しく見せる光の演出

 Salon de Milkの事例

照明は、お客様の肌や髪を美しく見せるための最重要ポイントです。美容室では、施術エリアとそれ以外で照明計画を分けることが必要です。

セット面(施術スペース)
顔色が自然に見える演色性の高い照明(Ra90以上)を選びます。影ができにくいよう、正面と上部からの光をバランスよく配置することで、カウンセリング時も施術後の仕上がり確認時も、お客様が自分を美しく感じられる環境を作ります。

待合・受付エリア
温かみのある間接照明で、リラックスできる雰囲気を演出。ペンダントライトやスタンドライトを使い、空間にリズムを生み出します。

シャンプーエリア
落ち着いた照度で、くつろぎの時間を提供。調光機能を活用し、時間帯に応じて明るさを調整するのも効果的です。

照明の色温度も重要で、3000K前後の電球色は温かみがあり、4000K前後の昼白色は明るく清潔な印象を与えます。サロンのコンセプトに合わせて選びましょう。

【ポイント4】家具・什器:世界観を統一するインテリア選定

テイスト別に見るおしゃれな美容室の内装デザイン事例
OPUS_池袋の事例

家具や什器は、デザイン性と機能性の両立が求められます。おしゃれなだけでなく、スタッフが使いやすく、お客様が快適に過ごせることが重要です。

セット椅子は、長時間座っても疲れにくい座り心地とデザイン性を兼ね備えたものを選びます。椅子は空間の印象を大きく左右するため、サロンの顔となるアイテムです。ミラーは形状やフレームデザインで個性を表現でき、大きな鏡は空間を広く見せる効果もあります。

収納については、美容室は道具が多いため、見せる収納と隠す収納のバランスが大切です。おしゃれなオープンシェルフにスタイリング剤を並べる一方で、生活感のあるものは扉付きの収納に隠します。

家具選びで失敗しないコツは、サイズ感を事前に確認することです。図面上では問題なくても、実際に搬入すると圧迫感があることも。3Dシミュレーションを活用すると、完成イメージがつかみやすくなります。

【ポイント5】空間レイアウト:居心地と機能性のバランス

sirenaの事例
sirenaの事例

どんなにおしゃれなデザインでも、動線が悪ければ快適な空間にはなりません。美容室のレイアウトは、お客様とスタッフ両方の動きやすさを考慮する必要があります。

お客様の動線は、入口から受付、待合、セット面、シャンプー、再びセット面、そして会計という流れがスムーズであることが重要です。途中で他のお客様とすれ違う回数を最小限に抑えることで、プライバシーも守れます。スタッフの動線は、施術中の移動距離を短くし、作業効率を上げることを意識します。バックヤードへのアクセスも重要で、お客様の目に触れずに移動できるルートを確保します。

セット面の配置では、隣の席との距離を最低でも90cm以上確保し、圧迫感を軽減します。プライバシーを重視するなら、パーテーションや植栽で視線を遮る工夫も効果的です。シャンプーエリアは、リラックスできる場所として、セット面から離れた位置に配置するのが理想的です。目を閉じている時間が長いため、落ち着ける空間づくりが重要になります。

美容室でよく使われる色とそれぞれが与える印象

美容室でよく使われる色とそれぞれが与える印象

ホワイト・ベージュ系:清潔感と明るさを演出

白やベージュは、美容室で最も多く使われる色です。清潔感があり、明るく開放的な空間を作り出します。

白を基調とした空間は、髪やメイクの色が映えやすく、カウンセリング時に仕上がりイメージを共有しやすいというメリットがあります。また、どんなインテリアとも相性が良いため、アクセントカラーを変えるだけで雰囲気を一新できる柔軟性も魅力です。

ベージュは白よりも温かみがあり、リラックスした雰囲気を作ります。ナチュラルテイストやカフェ風の内装に適しています。

グレー・ブラック系:洗練されたモダンな雰囲気

 nolunの事例

グレーやブラックは、都会的で洗練された印象を与えます。男性客をターゲットにする場合や、ハイエンドな価格帯のサロンに適しています。

グレーは中間色として、他の色との調和がとりやすい特徴があります。明るいグレーならモダンで軽やかな印象に、ダークグレーなら重厚感のある空間になります。

ブラックを使う場合は、全体を暗くしすぎないよう注意が必要です。アクセントとして使ったり、照明計画を工夫することで、圧迫感のない洗練された空間を実現できます。

ブルー系:爽やかさと落ち着きを両立

monoの事例

ブルーは、清潔感と落ち着きを併せ持つ色です。海や空を連想させ、リフレッシュ効果があります。

明るいブルーは若々しく爽やかな印象を与え、西海岸風やマリンテイストの内装に最適です。濃いネイビーは上品で落ち着いた雰囲気を演出し、大人向けのサロンに適しています。

ブルーは寒色系のため、木材などの温かい素材と組み合わせることで、冷たすぎない快適な空間になります。

グリーン系:ナチュラルでリラックスできる空間

vificaの事例

グリーンは、自然を感じさせる癒しの色です。観葉植物を取り入れるだけでも、空間に彩りとリラックス効果をもたらします。

淡いミントグリーンは優しく穏やかな印象を与え、女性客に人気です。深いフォレストグリーンは落ち着きがあり、大人の雰囲気を演出します。

グリーンは、ナチュラルテイストやオーガニック志向のサロンに最適です。植物との相性も良く、空間に統一感を生み出します。

ピンク・パープル系:女性らしさと華やかさ

Ridive MUSASHIKOSUGIの事例

ピンクやパープルは、女性らしさと華やかさを表現する色です。ただし、使い方を間違えると幼く見えたり、落ち着かない空間になるため注意が必要です。

くすみピンク(ダスティピンク)は大人っぽく上品な印象を与え、近年人気が高まっています。ラベンダーやライラックなどの淡いパープルは、エレガントで洗練された雰囲気を演出します。

ピンクやパープルを使う際は、アクセントカラーとして部分的に取り入れるか、トーンを抑えた色を選ぶことで、落ち着いた空間に仕上がります。

ブラウン・ウッド系:温もりと高級感

Rowanの事例

ブラウンや木目は、温もりと安心感を与える色です。自然素材の持つ質感が、リラックスできる空間を作り出します。

明るいブラウン(ライトオーク)は、カジュアルで親しみやすい印象に。濃いブラウン(ウォールナット)は、重厚感があり高級な雰囲気を演出します。

ブラウンは他の色と組み合わせやすく、ナチュラル・ヴィンテージ・モダンなど幅広いテイストに対応できる万能色です。

テイスト別に見るおしゃれな美容室の内装デザイン事例

テイスト別に見るおしゃれな美容室の内装デザイン事例
OPUS_池袋の事例

【ナチュラルテイスト】自然素材で温もりある空間に

ナチュラルテイストは、木材や石などの自然素材を活かした内装デザインです。温かみがあり、幅広い年齢層に受け入れられやすいのが特徴です。

明るい色の木材をふんだんに使用し、白やベージュをベースカラーにすることで、優しい雰囲気が生まれます。観葉植物やドライフラワーでグリーンを取り入れ、柔らかい間接照明で温かみを演出すれば、まるでカフェのような親しみやすい空間になります。

ナチュラルテイストは、リラックスを重視するお客様や、オーガニック志向の方に支持されます。居心地の良さを求める人に最適なスタイルです。

【モダンテイスト】シンプルで洗練された都会的デザイン

modishの事例

モダンテイストは、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインです。直線的なラインと機能美が特徴で、都会的な洗練された雰囲気を作り出します。

白・グレー・ブラックのモノトーン配色を基本に、コンクリートや金属などの現代的な素材を使用します。直線的でミニマルな家具を配置し、計算された照明計画で空間に陰影をつけることで、スタイリッシュな印象が際立ちます。

モダンテイストは、トレンドに敏感な20〜40代に人気です。すっきりとした空間は作業効率も良く、スタッフにとっても働きやすい環境が整います。

【インダストリアルテイスト】無骨さと洗練を融合

QOLの事例

インダストリアルテイストは、工業的な要素を取り入れた無骨でありながら洗練された内装です。倉庫や工場を思わせる素材感が特徴です。

コンクリート打ちっぱなしの壁や、配管・鉄骨をあえて見せるデザインが特徴的です。アイアンやスチールの家具を配置し、エジソンバルブなど個性的な照明を使うことで、ラフながら計算された空間が生まれます。無骨な素材と洗練されたデザインのバランスが、このテイストの魅力です。

インダストリアルテイストは、男性客にも人気が高く、ユニセックスなサロンに適しています。無骨さの中に洗練さがあり、個性を求める人に支持されます。

【ラグジュアリーテイスト】上質な素材で高級感を演出

BEKKAN youres hairの事例

ラグジュアリーテイストは、高級感と上質さを追求した内装です。特別な空間で、非日常的な体験を提供します。

大理石や真鍮など高級素材を効果的に使用し、ネイビー・ボルドー・ゴールドなど深みのある色彩で空間を引き締めます。上質なファブリックの椅子やシャンデリアなど存在感のある照明を配置することで、まるで高級ホテルのラウンジのような雰囲気を演出できます。

ラグジュアリーテイストは、高単価のメニューを提供するサロンや、特別感を演出したい場合に適しています。お客様に「ここでなら贅沢な時間を過ごせる」と感じてもらえる空間です。

【ミニマルテイスト】余白を活かした引き算の美学

monoの事例

ミニマルテイストは、必要最小限の要素だけで構成されたデザインです。余白を活かし、静けさと清潔感を重視します。

装飾を極限まで削ぎ落とし、限られた色数(1〜2色)で統一することで、研ぎ澄まされた美しさが生まれます。隠す収納で生活感を排除し、余白が生み出す心地よさを大切にします。何もない空間だからこそ、一つひとつの要素が際立ち、空間の質が問われるスタイルです。

ミニマルテイストは、シンプルな美しさを追求する人や、集中できる環境を好む人に支持されます。視覚的なノイズが少ないため、お客様自身や髪が際立ちます。

美容室の内装デザイン費用相場と予算の考え方

美容室の内装デザイン費用相場と予算の考え方

坪単価の目安と費用相場

美容室の内装工事費用は、一般的に坪単価30〜50万円が相場です。ただし、デザインのこだわりや物件の状態、選ぶ素材によって大きく変動します。

費用の内訳を見ると、設計費が全体の10〜15%、内装工事費(解体・造作・仕上げ)が60〜70%、設備工事費(電気・給排水・空調)が15〜20%、家具・什器が10〜15%程度です。例えば20坪の物件の場合、600万〜1,000万円程度が目安となります。都心部や商業施設内の場合は、さらに高くなる傾向があります。

居抜き物件とスケルトン物件の費用差

Churaの事例

物件選びは、内装費用に大きく影響します。

居抜き物件は、前のテナントの内装や設備を一部残して引き継ぐ物件です。内装工事費を大幅に抑えられ、坪単価20〜30万円程度に収まることもあります。ただし、既存の設備が自分のコンセプトに合わない場合、中途半端な仕上がりになるリスクがあります。シャンプー台の位置や給排水設備が使えれば、大きなコスト削減につながりますが、レイアウトの自由度は制限されます。

スケルトン物件は、何もない状態から作る物件です。自由度が高く、理想通りの空間を実現できますが、費用は高くなり、坪単価40〜60万円が目安です。ゼロから設計できるため、動線や設備配置を最適化でき、長期的に見れば作業効率の良い店舗になります。

居抜き物件を選ぶ際は、設備の劣化状態や水回りの位置を確認し、将来的な修繕費用も考慮しましょう。

費用を抑えながらおしゃれに仕上げる工夫

Ridive YOKOHAMAの事例

予算が限られていても、工夫次第でおしゃれな内装は実現できます。

既存の床や天井をあえて見せるデザインにすることで、仕上げ材のコストを削減できます。コンクリート打ちっぱなしや配管を見せるデザインは、むしろインダストリアルな魅力になります。素材選びでは、目立つ部分には高級素材を使い、見えにくい部分はコストを抑えた素材を使うなど、メリハリをつけることが重要です。

壁のペイントや棚の設置など、自分でできる部分はDIYで対応するのも一つの方法です。また、照明を工夫することで、シンプルな内装でも表情豊かな空間を作れます。中古の家具や什器を活用するのも効果的で、特にヴィンテージ家具は味があり、むしろおしゃれに見えることもあります。

優先順位をつけた予算配分のコツ

Grinの事例

限られた予算を効果的に使うには、優先順位をつけることが重要です。

投資すべきポイントとして、まずセット面が挙げられます。お客様が最も長く過ごす場所であり、椅子や鏡の質は妥協できません。次に照明で、髪や肌を美しく見せるため、質の良い照明を選ぶべきです。そして入口と受付は第一印象を決める重要な場所なので、ファサードや受付カウンターにこだわりましょう。

一方で、バックヤードはお客様の目に触れない場所なので、機能性を重視してコストを抑えられます。天井も、高さがあればシンプルな仕上げで問題ありません。壁も見えにくい場所は低コストの仕上げで十分です。

「見せたい部分」と「隠したい部分」を明確にし、メリハリをつけた予算配分を心がけることで、限られた予算でも満足度の高い内装が実現できます。

RAWMANが手がけた美容室の内装デザイン事例

株式会社RAWMANは、多数の美容室デザインを手がけてきた空間デザインのプランニングスタジオです。設計から施工までワンストップで対応し、お客様の想いを形にしています。

【事例1】BLONDE(東京・60.02㎡):モダンで洗練された空間デザイン

【事例1】BLONDE(東京・60.02㎡):モダンで洗練された空間デザイン
BLONDEの事例

東京都内に位置する「BLONDE」は、約18坪の空間にモダンで洗練されたデザインを実現した美容室です。

シンプルながら印象的な空間構成が特徴で、洗練されたカラーパレットで統一感を演出しています。機能性とデザイン性を両立したレイアウトにより、スタッフの作業効率とお客様の快適性を両立。都会的な雰囲気の中にも温かみを感じる照明計画で、冷たすぎない洗練された空間に仕上がっています。

限られた面積の中で、圧迫感を感じさせない開放的な空間を実現しています。モダンテイストを好む都市部の顧客層に支持される、洗練されたデザインが特徴です。

【事例2】Salon de Milk(東京・76.31㎡):優雅さと居心地を両立

【事例2】Salon de Milk(東京・76.31㎡):優雅さと居心地を両立
Salon de Milkの事例

「Salon de Milk」は、約23坪の広さを活かし、優雅さと居心地の良さを両立させた美容室です。

ゆとりある空間配置でプライバシーを確保し、上質な素材選びによる高級感を演出しています。細部までこだわったインテリアコーディネートと、お客様がリラックスできる照明・色彩計画により、長時間過ごしても疲れない空間を実現しました。

広めの面積を活かし、各セット面に十分な距離を確保。落ち着いてゆったり過ごせる空間づくりを実現しています。大人の女性が安心して通える、上質なサロンです。

【事例3】nolun(東京・41.8㎡):小規模でも個性が光る内装

【事例3】nolun(東京・41.8㎡):小規模でも個性が光る内装
nolunの事例

約12坪という小規模ながら、個性的で魅力的な空間を実現した「nolun」。限られた面積を最大限に活用した事例です。

「街に開かれたギャラリーの様なヘアサロン」をコンセプトに、構造躯体現しのまま白塗装を施し、ホワイトキューブを空間のベースとしました。個性的な素材使いで印象的な空間にしつつ、効率的な動線設計で作業性も確保。小規模だからこそ実現できる、細やかな配慮が随所に見られます。

意匠を最低限にとどめ、未完の空白余地を残す事でお施主様や訪れるお客様によって育ってゆく、街に開かれたヘアサロンを目指しました。

RAWMANでは、それぞれのサロンの個性とオーナーの想いを大切に、唯一無二の空間をデザインしています。

内装デザイン会社を選ぶ際のポイント

内装デザイン会社を選ぶ際のポイント

美容室の実績が豊富か

内装デザイン会社を選ぶ際、最も重要なのは美容室の実績です。美容室は、動線や設備の配置など、他の業種とは異なる専門知識が必要です。

実績が豊富な会社は、シャンプー台の配置や給排水の知識、美容師の動きを考慮したレイアウト設計、薬剤や道具の収納計画、保健所の許可基準への理解など、美容室特有のノウハウを持っています。

過去の施工事例を確認し、自分の目指すテイストに近いデザインを手がけているかチェックすることで、完成後のイメージとのギャップを防げます。

コンセプトを理解し提案できるか

lady 神宮前の事例

優れたデザイン会社は、ただ依頼通りに作るだけでなく、ヒアリングを通じてコンセプトを深く理解し、さらに良い提案をしてくれます。

初回の打ち合わせでは、ターゲット層やサロンの強みについて質問してくれるか、予算に応じた優先順位の提案があるか、デザインの意図や効果を説明できるか、運営面でのアドバイスもしてくれるかなどを確認しましょう。単に見た目の良さだけでなく、ビジネスとして成功する店舗づくりを提案してくれる会社を選ぶことが大切です。

親身になって話を聞き、一緒に考えてくれる会社を選ぶことが成功への近道です。

設計から施工までワンストップ対応か

RILLYの事例

設計と施工が別の会社だと、コミュニケーションロスが生じ、イメージ通りに仕上がらないリスクがあります。

ワンストップ対応のメリットとして、設計意図が施工にしっかり反映される点が挙げられます。窓口が一本化されるため、やり取りがスムーズになり、コストの無駄も少なくなります。また、問題が生じた際の対応も早く、責任の所在が明確です。

設計から施工、アフターフォローまで一貫して対応できる会社なら、開業準備の負担も軽減され、安心して任せられます。

アフターフォローの充実度

eN by youres hairの事例

開業後に不具合が見つかったり、追加の工事が必要になることもあります。アフターフォローが充実している会社を選びましょう。

確認すべきポイントとして、保証期間がどれくらいか、定期点検はあるか、追加工事や修繕の対応は可能か、緊急時の連絡体制は整っているかなどがあります。特に水回りや電気設備は、開業後に問題が発覚することもあるため、迅速に対応してくれる体制が整っているかは重要です。

長く付き合える信頼できるパートナーを選ぶことが、サロン運営の安心につながります。数年後の改装やメンテナンスも相談できる関係性を築けるかどうかも、会社選びのポイントです。

おしゃれな美容室の内装デザインを実現するために

sirenaの事例
sirenaの事例

明確なコンセプトとターゲット設定

おしゃれな美容室を作るには、まず「誰のための、どんなサロンか」を明確にすることが不可欠です。

コンセプト設定は、まずターゲット層を具体的にイメージすることから始まります。年齢・性別・ライフスタイルだけでなく、どんな価値観を持ち、どんな時間の過ごし方を求めているかまで想像しましょう。

次に、お客様に提供したい価値を言語化します。「リラックスできる時間」「最新トレンドのスタイル」「丁寧なカウンセリング」など、何を大切にするかを明確にします。

そして、サロンの個性や強みを明確にし、それらを表現するデザインテイストを決定します。曖昧なコンセプトは、中途半端な内装につながります。「30代女性向けのナチュラルで癒される空間」など、具体的に定義しましょう。

お客様目線での空間づくり

Ridive MUSASHIKOSUGIの事例

デザイナーや経営者の好みだけでなく、お客様の視点で考えることが重要です。

入口から席までの動線はスムーズか、プライバシーは守られているか、長時間座っても疲れない椅子か、荷物を置く場所は十分にあるか、清潔感は保たれているかなど、お客様が実際に過ごす時間を想像しながらチェックしていきます。

実際に自分がお客様として他の美容室を訪れ、居心地の良さや不満を感じたポイントをメモしておくと、自分のサロンづくりに活かせます。また、オープン前にスタッフや知人に実際に座ってもらい、フィードバックをもらうことも効果的です。

長く愛される店舗を目指して

BLONDEの事例

美容所数は毎年増加しており、競争は激化(※1)しています。一時的な流行だけを追うのではなく、長く愛される普遍的な魅力を持つサロンを目指しましょう。

流行に左右されない普遍的な美しさを持つ空間は、数年経っても色褪せません。ベースとなるデザインはシンプルに保ち、トレンドは小物やアートで取り入れる程度にすることで、長く使える内装になります。定期的なメンテナンスと小さな改善を重ね、お客様の声を反映した空間づくりを続けることも大切です。

また、時代に合わせた柔軟な対応も必要です。数年後には新しい施術メニューが増えたり、お客様のニーズが変化したりすることもあります。大規模な改装をしなくても、家具の配置を変えたり、照明を調整したりすることで、空間をアップデートできる余地を残しておきましょう。

内装デザインは、開業時に完成するものではありません。お客様の反応を見ながら、少しずつ改善を重ねることで、より居心地の良い空間に育てていくことができます。

おしゃれな美容室の内装デザインは、技術力と同じくらい重要な差別化要素です。明確なコンセプトのもと、色彩・素材・照明・家具・レイアウトの5つのポイントを押さえ、お客様に愛される空間を実現しましょう。

株式会社RAWMANは、豊富な美容室デザイン実績をもとに、設計から施工までワンストップでサポートしています。おしゃれな美容室の内装デザインをお考えの方は、ぜひご相談ください。

参考記事

※1 厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/index.html

・ReAir「色彩心理を活かす!おしゃれなオフィス内装や店舗デザインのヒントを解説」

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