【開業資金】飲食店の内装の費用相場を業種や業態別に解説!
飲食店の開業を目指す方にとって、内装費用は最も大きな悩みのひとつです。日本政策金融公庫の調査によると、飲食店開業資金の平均883万円のうち、内装工事費は約40%(368万円)を占めています。(※1)
内装費用は業種や業態、物件の状態によって大きく変動します。カフェなら坪単価30〜50万円で済むこともあれば、高級寿司店では坪単価80万円を超えるケースも珍しくありません。スケルトン物件か居抜き物件かでも、数百万円の差が生まれます。
本記事では、多数の飲食店デザインを手がけてきた株式会社RAWMANが、業種・業態別の費用相場から坪単価に差が出る理由、コストを抑えるポイントまで実例とともに解説します。これから開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
※1 日本政策金融公庫「創業の手引き+」(2012年)
https://www.jfc.go.jp/
飲食店の内装費用の全体像と相場

日本政策金融公庫のデータから見る内装費用の実態
飲食店の内装工事にかかる費用は、日本政策金融公庫の「創業の手引き+」によると、開業資金全体の約40%を占めます。(※2)
2012年のデータでは、飲食店開業資金の平均額は883万円(不動産購入を除く)で、その内訳は以下の通りです。
- 内外装工事費:約40%(約368万円)
- 機械・什器・備品費:約20%(約186万円)
- 運転資金:約20%(約169万円)
- テナント賃借費用:約17%(約155万円)
- その他:約3%
ただし、このデータから10年以上が経過しており、建築資材価格は2015年を100として2022年には平均160まで上昇しています。現在の相場では、内装工事費だけで500万円以上を見込む必要があるでしょう。
※2 日本政策金融公庫「創業の手引き+」 https://www.jfc.go.jp/
内装費用が開業資金に占める割合

内装費用は開業資金の中で最も大きな割合を占める項目です。立地や物件の状態、店舗のコンセプトによって金額は変動しますが、全体の30〜50%を占めるケースが一般的です。
たとえば、開業資金1,000万円の場合、内装費用として300〜500万円を確保する必要があります。残りの資金で厨房設備、家具・什器、運転資金、テナント契約費用などを賄うことになります。
内装費用を正確に見積もることで、資金計画全体が明確になり、融資申請時の事業計画書も説得力のあるものになります。
費用を左右する3つの要素

飲食店の内装費用は、以下の3つの要素によって大きく変動します。
1. 物件の状態(スケルトン or 居抜き)
スケルトン物件は内装が全くない状態のため、一から作り上げる必要があります。自由度は高いものの、費用は居抜き物件の2〜3倍かかることも珍しくありません。
居抜き物件は前テナントの設備や内装を活用できるため、初期費用を大幅に抑えられます。特に同業種の居抜き物件であれば、厨房設備や配管をそのまま使えるケースもあります。
2. 業種・業態による設備の違い
カフェやバーは本格的な厨房設備が不要なため、比較的費用を抑えられます。一方、ラーメン店や焼肉店は大型の排気設備や防水・防油工事が必要となり、費用が高くなります。
3. デザインと素材のグレード
無垢材や銘木を使ったカウンター、左官仕上げの壁、特注の照明器具など、こだわりの素材を使えば費用は上がります。シンプルな内装でも、素材選びによって高級感を演出できるため、予算に応じたメリハリが重要です。

【スケルトン・居抜き別】飲食店の内装費用相場

スケルトン物件の費用相場と工事内訳
スケルトン物件は、コンクリート打ちっぱなしの状態から内装を作り上げるため、自由度が高い反面、費用も高額になります。
坪単価の目安
- カフェ・バー:30〜50万円/坪
- 居酒屋:40〜60万円/坪
- ラーメン店:40〜60万円/坪
- 寿司店:50〜80万円/坪
- レストラン:50〜80万円/坪
- 焼肉店:60〜100万円/坪
主な工事内訳
- 軽鉄・ボード工事
天井や壁の骨組みと下地を作る工事。空間の基礎となる部分です。 - 電気設備工事
照明、コンセント、分電盤などの電気配線工事。厨房設備の電気容量も考慮する必要があります。 - 給排水・ガス工事
厨房やトイレに必要な配管工事。既存の配管容量が不足している場合、増設工事が必要です。 - 内装仕上げ工事
床材、壁材、天井の仕上げ。素材のグレードによって費用は大きく変わります。 - 厨房工事
防水処理、カウンター製作、厨房設備の設置。飲食店の要となる部分です。 - 空調・換気工事
エアコン、換気扇、ダクトの設置。特に厨房の換気能力は重要です。
スケルトン物件の場合、工期は1.5〜2ヶ月程度が一般的です。
居抜き物件の費用相場と注意点

居抜き物件は、前テナントの内装や設備を引き継ぐため、初期費用を大幅に抑えられます。
坪単価の目安
- 同業種の居抜き:15〜30万円/坪
- 異業種からの転用:20〜50万円/坪
- デザイン・設計のみ:3〜10万円/坪
前のテナントが同じ飲食業態だった場合、厨房設備や配管をそのまま活用できるため、最も費用を抑えられます。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 設備の劣化状況
冷蔵庫、ガスコンロ、エアコンなどの設備は必ず動作確認を行いましょう。故障している場合、修理や交換費用が別途発生します。 - 造作譲渡料
前テナントから設備を譲り受ける際、造作譲渡料が発生するケースがあります。金額は交渉次第ですが、50〜300万円程度が相場です。 - 前店舗のイメージ
前のお店のイメージが強く残っていると、新しいコンセプトが伝わりにくくなります。看板や外装の変更を検討しましょう。 - 給排水・ガス容量
前テナントと異なる業態の場合、配管容量が不足している可能性があります。大幅な増設が必要になれば、スケルトンと変わらない費用がかかることもあります。
スケルトンと居抜きの選び方

予算と開業コンセプトのバランスで判断しましょう。
スケルトン物件が向いているケース
- コンセプトを明確に表現したい
- 他店との差別化を図りたい
- 資金に余裕がある
- 長期的な経営を見据えている
居抜き物件が向いているケース
- 初期費用を抑えたい
- 早期開業を目指している
- 前テナントと同じ業態
- 設備の状態が良好
コンセプトを妥協してまで居抜き物件を選ぶ必要はありません。資金計画と理想のお店のイメージ、両方を満たせる物件を探すことが大切です。

【業種・業態別】飲食店の内装費用相場

業種や業態によって必要な設備が異なるため、内装費用にも大きな差が生まれます。ここでは主要な業態別に費用相場を解説します。
カフェ・喫茶店(坪単価30〜50万円)

カフェは本格的な厨房設備が不要なため、比較的費用を抑えられる業態です。
必要な主要設備
- エスプレッソマシンやドリップ機器
- 冷蔵・冷凍庫
- 製氷機
- シンク
費用の特徴
- 排気設備は最小限で済む
- 客席エリアのデザインに予算を割ける
- おしゃれな雰囲気作りが重要
10坪のカフェをスケルトンから開業する場合、300〜500万円が目安です。居抜き物件なら150〜300万円程度に抑えられます。
居酒屋・バー(坪単価40〜60万円)

居酒屋やバーは、カフェより給排水設備が充実している必要があります。
必要な主要設備
- 業務用冷蔵庫・冷凍庫
- ガスレンジ
- フライヤー
- 製氷機
- 生ビールサーバー
費用の特徴
- 給排水工事がカフェより複雑
- カウンター席の造作に費用がかかる
- 照明演出で雰囲気作りが重要
20坪の居酒屋をスケルトンから開業する場合、800〜1,200万円が目安です。
ラーメン店(坪単価40〜60万円)

ラーメン店は大型の排気設備と防水・防油工事が必須です。
必要な主要設備
- 大型ガスレンジ
- 製麺機(自家製麺の場合)
- 寸胴鍋
- 強力な排気フード
- 業務用冷蔵庫・冷凍庫
費用の特徴
- 排気設備が高額(100〜200万円)
- 厨房の防水・防油工事が必須
- カウンター席中心で客席面積は抑えられる
15坪のラーメン店をスケルトンから開業する場合、600〜900万円が目安です。
寿司店(坪単価50〜80万円)

寿司店はカウンターの質が店の格を左右するため、素材にこだわる必要があります。
必要な主要設備
- ネタケース(冷蔵ショーケース)
- 寿司炊飯器
- シャリ切り台
- 包丁・まな板などの調理器具
費用の特徴
- カウンターに銘木を使うと高額になる
- 照明で寿司を美しく見せる工夫が必要
- シンプルで洗練されたデザインが求められる
高級寿司店の場合、坪単価は60〜80万円まで上がります。詳しくは以前の記事「高級寿司屋の内装デザインにおける7つのポイント」をご参照ください。
フレンチ・イタリアンなどレストラン(坪単価50〜80万円)

レストランは客単価と店舗グレードによって費用が大きく変わります。
必要な主要設備
- 業務用オーブン
- ガスレンジ
- 冷蔵・冷凍設備
- 食洗機
- ワインセラー
費用の特徴
- 厨房設備が多岐にわたる
- 客席の居心地の良さが重要
- テーブルセッティングや照明にこだわる
30坪のレストランをスケルトンから開業する場合、1,500〜2,400万円が目安です。
焼肉店(坪単価60〜100万円)

焼肉店は各席に排煙設備が必要なため、最も費用がかかる業態のひとつです。
必要な主要設備
- 各席の無煙ロースター
- 強力な排気ダクト
- 防水・防油仕様の床と壁
- 業務用冷蔵庫・冷凍庫
費用の特徴
- 1席ごとの排煙設備が高額
- 床と壁の防水・防油工事が必須
- 給排水工事が各席に必要
20坪の焼肉店をスケルトンから開業する場合、1,200〜2,000万円が目安です。個室を多く設ける場合、さらに費用は上がります。

坪単価に差が出る理由【高い会社vs低い会社】

同じ条件でも、内装会社によって見積もりに数百万円の差が出ることがあります。その理由を理解しておきましょう。
デザイン設計力と提案力の違い

単に希望を形にするだけの会社と、潜在的なニーズを引き出して独自の提案をしてくれる会社では、価値が大きく異なります。
デザイン力の高い会社の特徴
- 曖昧なイメージを具体的な空間に落とし込める
- 動線や使い勝手まで考慮した設計
- 過去事例の焼き直しではなく、オリジナルの提案
- コンセプトに合った素材選定
デザイン力の高い会社は坪単価が高めですが、長期的に見れば顧客満足度やリピート率の向上につながり、投資価値があります。
設計から施工まで一貫対応できるか

設計会社と施工会社が別々だと、以下のリスクがあります。
- 設計意図が施工に正確に伝わらない
- 責任の所在が曖昧になる
- 中間マージンが発生して費用が高くなる
- トラブル時の対応が遅れる
設計から施工までワンストップで対応できる会社であれば、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。中間マージンも発生しないため、トータルコストを抑えられる傾向にあります。
使用する素材と仕上げのグレード

同じ「木製カウンター」でも、使う木材によって価格は大きく変わります。
素材グレードの例
- 合板:安価だが経年劣化が早い
- 集成材:中程度の価格で品質も安定
- 無垢材:高価だが風合いが良く長持ち
- 銘木(ヒノキ、ケヤキなど):最高級で独特の存在感
高い会社は見える部分に上質な素材を使い、見えない部分はコストを抑えるメリハリをつけます。安い会社は全体的に安価な素材を使うため、チープな印象になりがちです。
職人の技術レベルと施工品質

熟練職人による丁寧な施工と、経験の浅い職人による施工では、仕上がりに歴然とした差が出ます。
技術力の高い職人の特徴
- 木材の接合部に隙間がない
- 左官仕上げの質感が均一で美しい
- 細部まで丁寧な仕上げ
- 長期的な耐久性を考慮した施工
職人の技術レベルが高い会社は人件費も高くなりますが、開業後のメンテナンスコストを抑えられ、長期的にはコストパフォーマンスが良いケースが多いです。
アフターフォロー体制の有無

開業後に不具合が見つかった場合、すぐに対応してくれる会社かどうかは重要なポイントです。
充実したアフターフォロー
- 保証期間が明確(1年以上)
- 不具合発生時の連絡先が明示されている
- 定期点検サービスがある
- 開業後の相談にも対応してくれる
アフターフォロー体制が整っている会社は、初期費用に保証コストが含まれているため、やや高めの見積もりになります。しかし、安心して長く付き合える関係を築けるため、価値のある投資です。

内装費用の内訳を詳しく解説

内装費用がどのような項目で構成されているのかを理解しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
設計・デザイン費用(全体の10〜15%)

内装のコンセプトを具体的な図面に落とし込む費用です。
含まれる作業
- コンセプトヒアリング
- 平面図・立面図の作成
- パース(完成予想図)の作成
- 仕様書の作成
- 建築確認申請書類の作成
設計費用は総工事費の10〜15%が相場です。たとえば、工事費が1,000万円の場合、設計費は100〜150万円程度になります。
施工費用(全体の50〜60%)

実際に内装を作り上げる工事費用です。
主な工事項目
- 解体・撤去工事
- 軽鉄・ボード工事
- 電気設備工事
- 給排水・ガス工事
- 空調・換気工事
- 内装仕上げ工事(床・壁・天井)
- 造作工事(カウンター、棚など)
- 塗装工事
施工費用は材料費と人件費で構成されます。職人の技術レベルや工期によって金額は変動します。
厨房設備費用(全体の20〜30%)

飲食店にとって最も重要な設備投資です。
主な厨房設備
- 業務用冷蔵庫・冷凍庫:30〜100万円
- ガスレンジ:20〜80万円
- フライヤー:15〜50万円
- 製氷機:20〜60万円
- 食洗機:30〜100万円
- シンク・作業台:10〜30万円
- 排気フード:50〜200万円
新品を揃えると高額になるため、中古品の活用も検討しましょう。状態の良い中古品なら、新品の50〜70%の価格で購入できます。
家具・什器・備品費用(全体の10〜15%)

客席の雰囲気を作る重要な要素です。
主な項目
- テーブル・椅子:1セット3〜15万円
- 照明器具:1台1〜10万円
- 食器類:1人分5千〜3万円
- カトラリー:1人分千〜5千円
- レジシステム:10〜50万円
- 看板:10〜50万円
家具や什器は、店のコンセプトに合わせて選びましょう。高級店なら上質な素材を、カジュアル店ならコストパフォーマンスを重視した選択が適しています。

店舗規模別の内装費用シミュレーション

具体的な費用感をつかむため、店舗規模別にシミュレーションしてみましょう。
10坪(約33㎡)の小規模店舗

想定業態:カフェ、小料理店、バー
スケルトン物件の場合
- 内装工事費:300〜500万円(坪単価30〜50万円)
- 厨房設備費:100〜150万円
- 家具・什器・備品:50〜100万円
- 合計:450〜750万円
居抜き物件の場合
- 内装工事費:150〜300万円(坪単価15〜30万円)
- 厨房設備費:50〜100万円(既存設備活用)
- 家具・什器・備品:30〜80万円
- 合計:230〜480万円
小規模店舗は坪単価が割高になる傾向があります。最低限必要な設備工事は規模に関わらず発生するためです。
20坪(約66㎡)の標準的な店舗

想定業態:居酒屋、イタリアン、ラーメン店
スケルトン物件の場合
- 内装工事費:800〜1,200万円(坪単価40〜60万円)
- 厨房設備費:200〜400万円
- 家具・什器・備品:100〜200万円
- 合計:1,100〜1,800万円
居抜き物件の場合
- 内装工事費:400〜1,000万円(坪単価20〜50万円)
- 厨房設備費:100〜200万円(既存設備活用)
- 家具・什器・備品:80〜150万円
- 合計:580〜1,350万円
20坪前後が最もバランスの取れた規模です。客席数と厨房スペースの配分も無理なく設計できます。
30坪(約100㎡)以上の大型店舗

想定業態:レストラン、焼肉店、個室併設の寿司店
スケルトン物件の場合
- 内装工事費:1,500〜2,400万円(坪単価50〜80万円)
- 厨房設備費:300〜600万円
- 家具・什器・備品:200〜400万円
- 合計:2,000〜3,400万円
居抜き物件の場合
- 内装工事費:900〜1,800万円(坪単価30〜60万円)
- 厨房設備費:200〜400万円(既存設備活用)
- 家具・什器・備品:150〜300万円
- 合計:1,250〜2,500万円
大型店舗は坪単価が下がる傾向にあります。固定的な設備費用を広い面積で按分できるためです。ただし、個室を多く設ける場合や焼肉店のように各席に設備が必要な業態では、坪単価は高くなります。

内装費用を抑えながら理想の店舗を作る5つのコツ

予算が限られていても、工夫次第で満足度の高い店舗を作ることができます。
居抜き物件を活用して初期投資を削減

最も効果的なコスト削減方法は、居抜き物件の活用です。
居抜き物件を選ぶポイント
- 前テナントと同じ業態の物件を探す
- 設備の動作確認を必ず行う
- 造作譲渡料は交渉できる場合が多い
- 前店舗のイメージが残りすぎていないか確認
特に厨房設備は高額なため、使える状態で残っているなら大きなコスト削減になります。ただし、故障のリスクも考慮し、保証や修理対応について事前に確認しておきましょう。
見える部分にメリハリをつけて投資

限られた予算で高級感を出すには、投資先を見極めることが重要です。
優先的に投資すべき箇所
- 入口・ファサード(第一印象を決める)
- カウンターや目立つ壁面(お客様の視界に入る)
- 照明(雰囲気を大きく左右する)
- 客席の椅子(座り心地は満足度に直結)
コストを抑えられる箇所
- バックヤード
- スタッフ用トイレや更衣室
- 天井裏や配管などの見えない部分
顧客の目に触れる部分だけ上質な素材を使うことで、全体の予算を抑えながら高級感を演出できます。
中古設備を上手に活用する

厨房機器は中古品でも十分に機能します。
中古設備のメリット
- 新品の50〜70%の価格で購入できる
- 納品が早い(在庫があれば即納可能)
- 実績のある機種を選べる
中古設備選びの注意点
- 製造年をチェック(10年以上前は避ける)
- 動作確認を必ず行う
- 保証の有無を確認
- メンテナンス履歴を確認
中古厨房機器専門店や、飲食店向けのリサイクルショップで探すと良いでしょう。状態の良い品を見極めることが大切です。
DIYできる部分を見極める

専門的な技術や資格が不要な部分は、自分で施工することでコストを削減できます。
DIY可能な項目
- 壁の塗装
- 棚の設置
- 小物のディスプレイ
- 看板の取り付け(一部)
専門業者に任せるべき項目
- 電気工事(資格が必要)
- ガス工事(資格が必要)
- 水道工事(資格が必要)
- 防火設備(法規制がある)
DIYは時間がかかるため、開業スケジュールとのバランスも考慮しましょう。無理に自分で行うよりも、プロに任せた方が結果的に安く済む場合もあります。
複数社から相見積もりを取る

同じ工事内容でも、会社によって見積もり金額は大きく異なります。
相見積もりのポイント
- 最低3社から見積もりを取る
- 同じ条件で依頼する
- 見積もり内容の内訳を確認
- 安すぎる見積もりには注意
単に安い会社を選ぶのではなく、見積もりの内容や提案力、アフターフォロー体制などを総合的に判断しましょう。極端に安い見積もりは、必要な工事が抜けている可能性があります。

RAWMANが手がけた飲食店の内装事例

株式会社RAWMANが手がけた飲食店の実例をご紹介します。
【事例1】NORURADA(東京・30㎡/9.09坪):小規模でも洗練された空間

わずか30㎡(約9坪)という小規模ながら、洗練されたデザインで個性を表現した事例です。
空間の特徴
- 限られた面積を最大限に活用した効率的なレイアウト
- シンプルな素材選びで圧迫感を軽減
- 照明計画で奥行き感を演出
小規模店舗でも、動線設計と素材選びを工夫することで、快適な空間を実現できます。
【事例2】日本酒原価酒蔵 SHIBUYA(東京・68.38㎡/20.7坪):居酒屋の活気ある雰囲気

約68㎡(約20坪)の居酒屋業態です。
空間の特徴
- 日本酒をテーマにした和モダンなデザイン
- カウンター席とテーブル席のバランス配置
- 視認性の高い商品ディスプレイ
居酒屋らしい活気と、落ち着いて飲める雰囲気を両立させた空間設計が特徴です。
【事例3】鮨 四心(東京・56㎡/16.9坪):モダンな高級寿司店

約56㎡(約17坪)の高級寿司店です。
空間の特徴
- 白を基調としたタイル壁面
- 真鍮色をアクセントにした和のnewスタイル
- 今までにないモダンな鮨店
伝統的な寿司店の枠を超えた現代的な空間デザインで、新しい寿司体験を提供しています。

内装デザイン会社を選ぶ際の5つのチェックポイント

内装会社選びは、開業の成否を左右する重要な判断です。
飲食店の施工実績が豊富か

飲食店は一般的な店舗とは異なる専門知識が必要です。
確認すべきポイント
- 過去の施工事例を見せてもらう
- 自分が目指す業態の実績があるか
- 可能であれば実際の店舗を見学する
- オーナーの満足度を確認
特に寿司店やラーメン店など、特殊な設備が必要な業態では、その分野の実績がある会社を選ぶことが重要です。
設計から施工までワンストップ対応か

設計と施工が別会社だと、以下の問題が起こりやすくなります。
- 設計意図が施工に伝わらない
- 責任の所在が不明確
- トラブル対応が遅れる
- 中間マージンで費用が高くなる
設計から施工まで一貫して対応できる会社なら、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。RAWMANのように、設計・施工をワンストップで対応できる会社を選びましょう。
コンセプトヒアリングと提案力

単に希望を形にするだけでなく、潜在的なニーズを引き出して提案してくれる会社を選びましょう。
提案力のある会社の特徴
- 初回打ち合わせで深くヒアリングしてくれる
- 曖昧なイメージを具体化してくれる
- 過去事例の焼き直しではなくオリジナル提案
- 予算内で最大限の価値を生み出す工夫
複数社と打ち合わせをして、提案内容を比較することをおすすめします。
見積もりの明確性と透明性

「坪単価○○万円」という大雑把な見積もりだけでは、後から追加費用が発生するリスクがあります。
良い見積もりの条件
- 工事項目ごとに明細が記載されている
- 材料費と人件費が分かれている
- オプション工事が明記されている
- 不明点を質問すると丁寧に説明してくれる
見積もりの透明性が高い会社は、信頼できる会社である可能性が高いです。
アフターフォローと保証体制

開業後のサポート体制も重要なチェックポイントです。
確認すべき項目
- 保証期間はどれくらいか(1年以上が望ましい)
- どこまで保証範囲なのか
- 不具合発生時の連絡先はどこか
- 定期点検サービスはあるか
- 開業後の相談にも対応してくれるか
長く付き合える関係性を築ける会社を選ぶことで、開業後も安心して経営に集中できます。

飲食店の内装工事を成功させるために

内装工事を成功させるためには、事前準備が何よりも重要です。
明確なコンセプトとターゲット設定

内装デザインを始める前に、コンセプトを明確にしましょう。
決めておくべきこと
- どんな料理を提供するのか
- 誰に来てほしいのか(ターゲット層)
- 価格帯はどれくらいか
- どんな雰囲気を作りたいか
- 他店との差別化ポイントは何か
コンセプトが曖昧なまま進めると、統一感のない内装になってしまいます。すべての選択の基準となるコンセプトを、最初にしっかり固めることが成功への第一歩です。
余裕を持った資金計画の立案

内装費用は、予想外の出費が発生することを前提に計画しましょう。
資金計画のポイント
- 見積もり金額の10〜15%の予備費を確保
- 厨房設備費は別枠で考える
- 運転資金も忘れずに確保
- 融資を受ける場合は返済計画も立てる
開業後すぐに資金がショートしないよう、最低でも3ヶ月分の運転資金を確保しておくことが重要です。
工事スケジュールの確保と管理

内装工事は予想外のトラブルが起こりがちです。
スケジュール管理のコツ
- オープン日から逆算して余裕を持つ
- スケルトンなら2ヶ月以上の工期を見込む
- 居抜きでも1ヶ月程度は必要
- 開業準備期間も考慮する
焦って妥協した内装では、開業後に後悔することになります。時間をかけて丁寧に作り上げることが、長く愛される店舗づくりにつながります。

まとめ

飲食店の内装費用は、業種・業態や物件の状態によって大きく変動します。日本政策金融公庫のデータによると、内装工事費は開業資金の約40%を占める最大の投資項目です。
本記事のポイント
- スケルトン物件:坪単価30〜100万円。自由度が高いが費用も高額
- 居抜き物件:坪単価15〜60万円。初期費用を抑えられるがデメリットもある
- 業態別相場:カフェ(30〜50万円/坪)から焼肉店(60〜100万円/坪)まで幅広い
- 坪単価の差:デザイン力、施工品質、素材グレード、アフターフォローなどで変わる
- コスト削減:居抜き物件、中古設備、メリハリのある投資、相見積もりが有効
限られた予算でも、工夫次第で理想の店舗を実現できます。大切なのは、明確なコンセプトと適切な投資配分です。
株式会社RAWMANでは、多数の飲食店の内装デザイン実績があります。コンセプト作りから設計・施工まで一貫してサポートいたしますので、飲食店の開業をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

参考記事
・比較ビズ「店舗デザイン設計の費用相場は?料金が決まる要素と業者選びのポイントを解説」
